突然ですが、あなたは”霊柩車”と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
単純にあまり縁起の良いイメージをお持ちではないかもしれません。
ひょっとすると「親指を隠さなきゃ」と真っ先に思い浮かべたかもしれません。
そんな時折見かける霊柩車ですが、それについてあまり深く考える機会は無いのではないでしょうか。
ここでは霊柩車についてのあれこれをできる限りわかりやすく説明していきます。
あなたが思わず「なるほど」と膝を叩くような内容ばかりを取りそろえてみました。
先ずは一読してください。
それでは確認していきましょう。
Contents
霊柩車の種類
画像を用いて説明したいのですが、著作権やらややこしいので文章説明だけになることをお詫びします。
宮型
あなたが想像した通りの、昔ながらの霊柩車。
彫り物などで装飾されており、思わず親指を隠しそうになるタイプです。
ベースは国産大型セダンが多く、それを改造したものが殆どです。
洋型
リムジン型と呼ばれたりもしますが、外車だから洋型と言う訳ではありません。
国産車でも洋型に改造してある車両もあります。
荷台部分を幌で覆い開閉するタイプもありますね。
ベースはリンカーンやキャデラックが多いと思われがちですが、国産高級車も増えております。
バン型
パッと見ただけでは街中を走るミニバンやステーションワゴンに見えるタイプです。
霊柩車として使用されることもありますが、後述する搬送車としての役割も多いです。
バス型
マイクロバス等の荷室部分に棺を納め、葬儀の参列者もろとも火葬場へ運べる合理的な車両です。
霊柩車って旅客?貨物?
通常、人を乗せる車両は旅客車となります。
ですが、法律上において人は死んだ時点で物として扱われます。
少し悲しい気もしますが、遺体は物として扱う為、霊柩車は貨物扱いとなります。
逆に言えば、人を乗せるわけではないので2種免許は不要です。
霊柩車じゃなくて搬送車って何?
言うまでもありませんが、霊柩車は葬儀場から火葬場まで故人を運ぶ車両です。
この車両で故人を病院などの逝去した場所から葬儀場へは通常搬送しませんよね。
この役割を果たすのが搬送車や寝台車と呼ばれる車輌です。
棺に納められていない状態ですので、ストレッチャーなどの設備を整えております。
宮型霊柩車が減少の訳
あなたの近隣にある火葬場の場所を思い浮かべてください。
おそらく人目をはばかる奥地にあるのではないでしょうか?
しかし、どれだけ山奥にあろうと道は繋がっています。
火葬場に通じる沿道住民の心理からすると、あまり受け入れたくない状況かとも思います。
昔ながらの仰々しい宮型霊柩車はあまりにもなスタイルなために、近隣住民に配慮して宮型乗り入れ禁止という火葬場もあるのですね。
霊柩車を運用するのに許可は必要?不要?
霊柩車を用いて営業をする場合、霊柩運送事業という事業にあてはまります。
この事業を行うにはトラック運送を行う際と同様に、一般貨物自動車運送(霊きゅう運送限定)という許可を国土交通省から得る必要があります。
”物を運んで運賃を受け取る”という運送事業の定義に当てはまるからですね。
では葬儀費用一式に霊柩運送も含まれている場合に、それを無償サービスとして運用はできないものでしょうか?
そう考えるのは当たり前かもしれませんが、その代替として他のサービスに上乗せせざるを得ない実態から、逮捕されたケースも過去に何件もあります。
白ナンバーで霊柩車を運用しようと思っても営業類似行為と必ず見られてしまうのです。
霊柩車?霊きゅう車?
霊柩車の”棺”という字が常用漢字に定められていません。
一般的な使い方として、霊柩車。
法律用語としての使い方として、霊きゅう車。
となるのですね。
個人で所有できるの?
中古車サイトなどで稀に霊柩車を売り出している車屋さんがあります。
これを購入するのは葬儀社だけではないのですね。
実際に霊柩車を個人所有している方も実在します。
この場合、殆どが貨物車としての登録をし、1ナンバーを付けて走らせます。
保有台数の制限?
皆さんも一度はお使いになったことがあるであろうサイト”ウィキペディア”内に、
「1つの自治体(市、区、郡)に対して霊柩車の保有台数の上限があるといわれ、霊柩車を保有したい事業者の新規参入は(空き枠がある地方部を除き)限り難しい。」
といった記述があります。
これの裏を取るべく関係各所に問い合わせをしてみました。
運輸局の回答
そんな話は聞いたことがない。
申請があれば手順に沿った手続きをし、許可後は皆さん営業なさってます。
全国霊柩自動車協会の回答
嘘でしょ?
そんな地域があるのを聞いたことがないです。
といった感じでした。
私自身も根拠条文などを探してみたのですが、一切見つかりませんでした。
ここで「だから嘘なので気にしないでください」と声を大にして言いたいのですが、そういった地域をご存じの方がいらっしゃいましたら、報告を頂けると幸いです。
まとめ
あなたが霊柩車について疑問に感じていた部分の大半が解消できたのではないでしょうか?
とりあえずの項目の回答を掲載しましたが、今後必要に応じて追加していきたいと思っています。
現在、高齢社会ビジネスは様々なものがあります。
霊柩運送は、その一歩先をいくビジネスではないでしょうか?