あなたが様々な条件を満たし、いざ運送業を開始したいと思った時に「営業開始までの期間ってどのくらいかかるのだろう?」と考えるのは自然なことです。

ここでは平均的な期間を申し上げますが”半年”ほどみておいてもらったほうがよろしいかと思います。

 

するとあなたは「半年もかかるの?」とも思われるでしょう。

あくまで新規で一般貨物自動車運送事業の許可を取得し、法人設立までを考慮した期間です。

これが、建設業(ダンプ)で既に営業開始しており、必要に迫られ一般貨物自動車運送事業の許可を取得する場合でしたら、もっと短くもなるかと思います。

 

今回は、法人設立を含め、全くの新規参入する際の手続きの流れをメインとして、できる限り詳細に、分かりやすく、何より簡潔に説明させて頂きます。

先ずは一読してください。

一連の流れを把握して頂き、あなたに段取り良く一般貨物自動車運送事業の許可を取得する際の目安となることをお約束します。

 

 

それでは一つずつ確認していきましょう。

1 法人設立

諸々の条件(法人名、決算月等)を決定し、書類作成をしてから法務局へ提出します。

繁忙期等で多少前後しますが、およそ2週間みたほうがよろしいかと思います。

 

2 許可申請書の提出

支局運輸担当に許可申請書を提出します。

申請書といっても1枚だけではなく、10数種類もの書類を作成しなければいけません。

会社設立中にできるかぎりの申請書を作成してから運輸局へ提出します。

 

3 許可申請書の審査

提出した申請書に不備や不足点があれば、あなたと支局担当でやりとりをして修正します。

もちろん不備や不足点がなければ修正の必要はありません。

 

4 法令試験~申請書控え返却

法令試験を申請者の方が受ける必要があります。

法令試験

法令試験の実施方法

(1)法令試験は、隔月(奇数月)で実施する。

(2)初回の法令試験は、原則として許可申請書等を受理した月の翌月以降に実施することとし、法令試験の実施予定日の前までに、別紙により申請者あて通知する。

(3)法令試験を実施した結果、合格基準に達しない場合は、翌々月に1回に限り再度の法令試験を受験できることとし、(2)に準じて再度通知する。

(4)再試験において合格点に達しない場合は、却下処分とする。ただし、当該申請についての取下の願い出があった場合は、この限りではない。

出題範囲及び設問形式等

(1)出題の範囲(以下の法令等については、法令試験の実施日において施行されている内容から出題する。)

  • 貨物自動車運送事業法
  • 道路運送法
  • 労働基準法等

(2)設問方式

○×方式及び語群選択方式とする。

(3)出題数

30問

(4)合格基準

出題数の8割以上とする。

(5)試験時間

50分とする。

その他

(1)参考資料等の持ち込みは不可とする。ただし、関係法令等の条文が記載された条文集を配付する。(当該資料は書き込み不可。試験終了後に回収。)

(2)試験当日、受験者は筆記用具を持参すること。

 

この法令試験に合格しないと許可が得られないだけでなく、2回続けて不合格だと申請が却下されてしまいます。

そして、法令試験に合格し、申請書に大きな不備がなければ、最初の申請書の提出から3週間前後で申請書の控えが返却されます。

 

5 許可証交付~新規事業者説明会

許可申請書の提出から標準処理期間で定められた3~4か月で許可証が交付されます。

標準処理期間:申請がその提出先の機関に到達してからその処分をするまでに通常必要とされる標準的な期間です。

 

許可証交付後に支局毎に開催される新規事業者向けの説明会を受講することになります。

6 登録免許税の納付

許可を受けた日から1か月以内に登録免許税(12万円)を銀行・郵便局・法務局のどれかで納付します。

この納付はコンビニではできません。

支払った際に受け取る領収書を”登録免許税届出書”に貼り付けし、運輸支局へ送付します。

 

7 事業計画に基づく事業施設の整備

許可申請書に記載した内容をキチンと整備していきます。

  • 営業所・車庫・休憩施設の設置
  • 車両の購入
  • 従業員の採用~雇用契約の締結
  • 各種帳簿・規定・掲示物の準備
  • 就業規則・36協定の労働基準監督署への提出
  • 運転者適正診断の受診

 

8 社会保険・労働保険等の加入手続き

上記と並行して福利厚生をキチンと整えます。

主な届出先はそれぞれ

  • 労働保険(労災保険・雇用保険)→管轄する労働局
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)→管轄する日本年金機構事務所

となります。

各種加入手続きが完了すると控えがもらえますので、大切に保管しておいてください。

 

9 運行管理者・整備管理者の選任届け

運行管理者選任届と整備管理者選任届をそれぞれ提出します。

これを提出しておかないと、後に運輸開始届が提出できません。

それぞれ運行管理者資格者証・整備士資格者証もしくは整備管理者選任前研修終了証明書のコピーを添付します。

 

10 事業用自動車連絡書の交付

運行管理者・整備管理者選任届けを提出すると営業ナンバーの登録に必要な事業用自動車連絡書が交付されます。

ここで登録に必要な書類と共にトラックを登録します。

 

11 車両登録・任意保険加入

準備しておいたトラックを登録して、任意保険に正式に加入します。

 

 

12 運輸開始届・運賃料金設定届

運輸開始届・運賃料金設定届を提出する際に他にも必要な書類を提出します。

  • 就業規則
  • 36協定書
  • 労働保険関係成立届
  • 社会保険新規適用届
  • 商業登記簿謄本
  • 車検証
  • 任意保険加入証書

これらは全てコピーを提出します。

36協定とは?
労働基準法36条に基づく労使協定で、「さぶろくきょうてい」と呼ばれることが多い。
会社が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を命じる場合、必要となる。
労組などと書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出る。
届け出をしないで時間外労働をさせると、労働基準法違反(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)となる。

 

13 営業開始

上記を経てやっと営業をスタートできます。

 

14 適正化特別巡回指導

運輸開始届を提出後の6か月以内に適正化指導員による巡回指導があります。

営業できたから後は知らんとならず、日々の帳票類等はキチンとしておきましょう。

 

まとめ

いかがでしょうか?

あなたが思っていた以上に手続きも多く大変かと思います。

ですが大変な思いをして取得したカンバンだからこそ大事に守っていこうと思えるのではないでしょうか。

 

平成元年には35,000社程だった一般貨物自動車運送業者は、規制緩和に伴いピーク時には57,000社にまで増えました。

ですが、右肩上がりを繰り返した事業者数はここ数年で緩やかに減少してきています。

これは何を意味するのでしょうか?

 

あなたは「やっぱり運送屋なんて儲からないから潰れていくんだよ。」と感じたかもしれません。

ひょっとすると「今がチャンスじゃない?」と胸躍ったかもしれません。

 

もしあなたが後者の考えを持ったのなら、直ぐにでも事業を始めた方が良いと思います。

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