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介護タクシーの許可要件 | 場所編

 

あなたが介護タクシーを始めようと思った時に先ず介護系資格や車両の要件が気になったことと思います。

ですが、事業というからには営業所を設置する必要もあります。

また、それに付随して車庫に関しても決まり事が詳細に定められています。

 

そこであなたは「自宅じゃ問題あるのかな?」と思ったかもしれません。

もしかすると「どこでもいいんじゃないの?」なんて思っていたかもしれません。

 

今回はそんな営業所や車庫について、分かりやすく丁寧に説明していきます。

これを読むことであなたが思い描いていた営業所や車庫が許可要件に適合するかを確認できることと思います。

先ずは一読してください。

 

それでは確認していきましょう。

 

Contents

営業所

先ずは営業所についてです。

ですが、その前に営業区域というものが定められておりますので、そちらから確認しましょう。

営業区域

介護タクシー事業には営業区域と縛りがあります。

これの単位は都道府県単位に区分されているのです。

あなたが静岡県で介護タクシーを始めようとしたら、営業エリアは静岡県内となります。

そこで勘の良いあなたは「発着は必ず静岡県内じゃないと違法なの?」と思ったかもしれません。

乗車時、若しくは降車時のどちらかが静岡県内であれば問題ありません。

静岡で乗車して神奈川で降車しても構いませんし、山梨で乗車して静岡で降車しても構いません。

 

地域によって県境の特例などが認められている場合もあります。

お悩みの方は最寄の運輸支局で確認しておくと良いでしょう。

 

つまり事業の拠点となる営業所は営業区域内に設置する必要があるのです。

これは逆を言えば、営業所を設置した場所が営業区域となります。

 

どうしても複数の都道府県にまたがって営業する場合で、県境の特例等が認められない場合は、営業したい地域に営業所を設ける必要があります。

使用権原の証明

これは、あなたが営業所を使用する権利があることを証明する必要があります。

営業所に定めようとする建物が自己所有と賃貸に2種類に分けることができるかと思います。

それぞれ

自己所有:登記簿謄本(全部事項証明書)

賃貸:契約期間が3年以上の賃貸借契約書の写し

を提出して使用権原を証明します。

あなたが営業所は賃貸でと思っている場合、3年以上の契約期間を結んでいない場合は契約が自動更新の文言が付されていれば大丈夫です。

各種関係法令に適合していること

営業所に課せられる関係法令とはどんなものがあるのでしょう?

  • 建築基準法
  • 都市計画法
  • 消防法
  • 農地法

等が挙げられます。

一般的によくある気をつけるべき点を説明していきます。

建築基準法

あなたが、広大な敷地に車庫兼営業所を設置しようと考えていたとします。

その際、プレハブやユニットハウスを設置しようとする場合、規模によっては基礎工事建築確認申請が必要になります。

このような場合も、専門家の方と相談されることをオススメします。

都市計画法

市街化調整区域では営業することができません。

市街化調整区域とは、簡単に言えば”建物を建ててはいけません”とされている地域を指します。

農地法

登記簿の地目がでは営業所を設置することができません。

必要に応じて農地転用許可が必要になるかもしれません。

適切な規模

あなたも曖昧に感じたかもしれませんが、適切な規模とはどの程度の規模を指すのでしょう?

ここでは具体的な”何㎡以上”という数値は定められていません。

通常一般的な事務作業ができるスペースを求められています。

では、一般的と言うと、どの程度の広さが必要なのでしょう。

  • 事務机
  • 椅子
  • 電話機
  • パソコン
  • 書棚

これらの運行管理に支障がでない設備が十分収納できる広さと考えておけば良いでしょう。

 

車庫

車庫に関しても営業所同様、細かなルールが定められています。

原則として営業所に併設

いきなりですが、原則に対しての例外から。

併設が難しい場合は、営業所と車庫の直線距離が2km以内であれば許可を受けることができます。

ココで気をつけて欲しいのは、県境付近の方です。

営業所と車庫は同一営業区域内である必要があります。

その他にも、複数台での営業を開始しようとする場合、不自然な車庫の分散などは許可がおりない可能性もあります。

適切なスペースの確保

これは車両を駐車した際のスペースを求めています。

具体的には車両の前後左右に50cm以上のスペースを空けなければならないとされています。

民間の賃貸駐車場で50cmのスペースとなると意外と難しいかもしれませんね。

明白な用途

これはどういうことなのでしょう?

あくまで駐車専用スペースでなければならないとしているわけですね。

例えば、物を置いたり、出払っている時に他の車を停めることも認められていません。

使用権原の証明

これは営業所の要件と重複です。

各種関係法令に適合していること

これも営業所の要件と重複しますが、市街化調整区域でも車両の駐車は認められています。

施設

これは点検・整備及び清掃する施設を求めています。

施設というと仰々しいですが、50cmのスペースがあればこの要件はクリアです。

車両制限令に抵触していないこと

簡単に説明すると、車庫の出入り口に面する道路が狭すぎると車庫として認めてもらえません。

役所などで道路幅員証明書を取得して提出し、道路幅を証明します。

目安として、道路幅が車幅の2倍以上あればクリアできます。

あくまで目安なので、自信のないかたは専門家に相談することをオススメします。

 

休憩・仮眠施設

実は休憩施設と仮眠施設を設ける必要があるのです。

原則として営業所又は車庫と併設

これも車庫の要件と被ります。

どうしても併設できない場合は営業所又は車庫から直線距離で2km以内であれば許可されます。

適切な規模・設備

適切な規模?営業所の要件と同様に何㎡という広さの数値は求められていません。

ドライバーがいつでもくつろげる状態を保つことができる設備が設置できれば良いです。

ソファー等が備え付けられていれば良いでしょう。

明白な用途と常時使用できること

営業所と併設されることが多い休憩室などですが、区分されていることが求められています。

別室であれば問題ないですが、広大な部屋に営業所と休憩室を設置する際は間仕切り(パーティション)等で区切る必要があります。

また、営業所を閉じても運転手がいつでも利用できるような工夫も必要となります。

使用権原の証明

営業所・車庫の要件と同様です。

各種関係法令に適合していること

こちらも営業所・車庫の要件と同様です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

あなたの想像以上に細かく規定されていたことと思います。

 

場所的要件で注意が必要なのは、賃貸を考えている場合です。

あなたが不動産屋から「営業所に最適」と言われ、鵜呑みにして契約したら、実はよくよく調べると使用できなかったという事が起こりえます。

契約前に事前リサーチは必須かと思います。

 

あなたに時間的余裕があるならば自分で色々と行動するのも良いでしょう。

面倒臭い・急いでいる等であれば専門家に相談してみても良いと思います。

あなたが無事に開業できることを願っております。

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