あなたはもしかすると、霊柩運送事業の許可を取得しようと思っているかもしれません。
もしくはそれ以前の段階で、これから取得するのに必要な知識を詰め込んでいる最中かもしれません。
どちらにしても、どこから手を付けて良いのか分からないという状態かと思います。
あなたが霊柩運送事業の許可を取得しようと思うなら、様々な要件をクリアしていかなければなりません。
そして、費用も期間も、あなたが思っている以上にかかることと思います。
そのように、あなたが、一番最初に読んで欲しい、許可要件、そして手続きの流れや、申請期間等を分かりやすい言葉で丁寧に解説していきます。
先ずは一度読んでください。
霊柩運送事業の許可を取得するのに必要な知識が得られることをお約束します。
それでは確認していきましょう。
Contents
霊柩運送事業とは
そもそも、霊柩運送事業とはどのように定義されているのでしょう。
大きな括りとして、一般貨物自動車運送事業という国土交通省管轄の許可があるのですが、そのうちの”霊柩運送限定”という枠で行う事業となるのです。
つまり運送業の中でも遺体輸送を限定した事業となるわけです。
そこであなたは「遺体を運送?」と思われたかもしれません。
法律上の定義として、生きた人は旅客輸送となるわけですが、亡くなった瞬間から人は物として扱うわけです。
よって遺体の搬送は貨物輸送と同様に考えられるのですね。
では貨物輸送の定義とは
①他人の需要に応じ
②有償で物(遺体)を搬送する
この2つともに該当すれば運送事業として許可を取る必要があります。
逆を言えば、その2点に当てはまらなければ、許可を取得する必要がありません。
違法行為
勘違いしがちな違法行為として「無償で遺体の搬送をすればいいんじゃない?」とあなたは思ったかもしれません。
たしかに運送事業の定義として、”有償にて”と書かれています。
よくありがちな「当葬儀社は霊柩車の使用が無償」という文句なら許可は不要じゃないの?と思われるかもしれませんが、残念ながら違法です。
葬儀社の一貫サービスとして霊柩車の使用を無償とうたったところで、必ずどこかに費用をオンせざるを得ないわけですよね。
もちろん霊柩車を購入した費用や維持費が発生しているわけですよね。
そうすると道路運送法という法律の営業類似行為とみなされてしまうわけです。
つまり、霊柩車を運用するということは必ず一般貨物自動車運送事業(霊柩限定)の許可を取得する必要があるわけですね。
稀なケースとして考えられるのが、霊柩車を自家用車として使用する場合は許可を取得する必要はありません。
また、他人の需要に応じていない場合、つまり身内が亡くなって葬儀も行わず火葬場へ直行といった場合の、遺族が自家用車を用いて遺体を搬送するといったケースでも許可は不要です。
許可の要件
あなたが、やはり許可が必要性を感じたかと思います。
その場合、霊柩運送事業の許可を取得するためには、大きく分けて4つの許可要件を満たさなければなりません。
1.場所の要件
2.車両の要件
3.資金の要件
4.人の要件
残念ながら、あなたは全ての要件を満たさなければなりません。
ここでは、どのような要件なのかを詳しく説明していきます。
1 場所の要件
営業所
(1) 使用する権利を有していること。
もちろん、運送会社なので営業所を確保しなければなりません。
営業所は”自己所有”であっても”賃貸”であっても、どちらでも構いません。
どちらにしても、それを使用する権利を証明する必要があります。
どのように証明していくかというと
- 自己所有:建物登記簿謄本や土地登記簿謄本
- 賃貸:契約期間が1年以上で且つ契約期間終了後に自動更新となる旨の記載がある賃貸借契約書
上記の書類を提出する必要があります。
1年未満の短期契約を結んでいても、自動更新の記載があれば有効となります。
(2) 農地法 、都市計画法等関係法令に抵触しないものであること。
次に、営業所を決定する際に、どこでも良いというわけではなく、様々な法律に適合させる必要があります。
ここでは色々な法律がありますが、どのような内容なのかを説明します。
農地法
営業所として使用する際、あなたは登記簿を確認する必要があります。
登記簿の地目が”宅地”や”雑種地”であれば問題ありません。
しかし、地目が”田”や”畑”であると、通常は営業所として使用することができないのです。
あなたの所有地で、どうしてもその土地で営業をしたいというのであれば、農地転用という手続きが必要となります。
農地転用とは、簡単に言えば農地を農地以外の土地に変更する手続きです。
農地転用の手続きは、費用も期間もかかることから、あまりオススメすることはできません。
それでも、どうしても農地転用が必要な場合は、専門家に相談することをオススメします。
都市計画法
有名な要件かもしれませんが、市街化調整区域では営業所を設置することは認められておりません。
簡単に市街化調整区域を説明しますと、”原則として建物を建ててはいけませんよ”と指定されている地域です。
すると、感の良いあなたは「原則があるなら例外は?」と思ったことでしょう。
その土地が既存宅地と呼ばれる場所であれば、可能な場合もあります。
現在では法改正が進み、新たに認められることはなくなりました。
しかし、既存宅地であるかの確認も、あなたが思う以上に手間と期間がかかりますので、ここでは専門家の方に相談することをオススメします。
建築基準法
建築されている建物を営業所として使用する場合、建築基準法をクリアしてるはずなので大丈夫かと思います。
建築基準法で気を付けるのは、車庫と同一敷地内で、新たに営業所を設置する場合に注意が必要です。
これから建築業者に依頼するのであれば問題はないかと思います。
あなたが、プレハブやユニットハウスを設置しようとする場合、規模によっては基礎工事や建築確認申請が必要になります。
このような場合も、専門家の方と相談されることをオススメします。
(3) 規模が適切であること。
地域によって営業所の大きさに関する数値が定められていたり定められていなかったりとバラバラです。
ここでは一般的な事務作業ができるスペースを求められています。
では、一般的と言うと、どの程度の広さが必要なのでしょう。
- 事務机
- 椅子
- 電話機
- パソコン
- 書棚
運行管理に支障がでない設備が十分収納できる広さと考えておけば良いでしょう。
休憩施設
(1)原則、営業所又は車庫に併設するものであること(例外有り)。
原則として営業所と車庫と休憩施設は併設する必要があります。
都心部などでは、それだけの広い敷地を確保することも難しい場合もあるでしょう。
そのような場合に
- 営業所+休憩施設
- 車庫+休憩施設
営業所か車庫のどちらかと併設されていれば良いことになっております。
(2)睡眠を与える必要がある乗務員1人当たり2.5平方メートル以上の広さを有すること。
ドライバーを長時間拘束されたり深夜営業などをされる場合、休憩施設を設けることを求められています。
ここでは、常時ドライバーが有効に休憩できる設備を整える必要があります。
そのような場合、2.5㎡以上の広さが確保できている睡眠施設を整えないといけません。
広さの目安としてはフトン一組を置けるスペースがあれば大丈夫です。
(3)使用する権限を有していること
営業所の要件と重複しますが、休憩施設も使用権原を証明する必要があります。
(4) 農地法 、都市計画法等関係法令に抵触しないものであること。
こちらも営業所の要件と重複しますので省略させて頂きます。
車庫
(1) 原則、営業所に併設するものであること(例外有り)。
原則として営業所と車庫は併設されていることが要件となります。
しかし、都心部などでは、それだけ広大な敷地を探すのも難しい場合も多いことでしょう。
そのような場合、全国的に多い数値の目安を言わせてもらえば、営業所と車庫の2点間を結ぶ直線距離が10km以内であれば大丈夫です。
また、特別区(23区)の場合は20km以内でも良いことになっていたり、逆に5km以内と定めている地域もあります。
あなたの地域が何km以内で許可されているかは、最寄の運輸支局で確認することをオススメします。
(2) 車庫の出入り口の幅が適当であること。
車庫の出入り口に面する道路(以後、前面道路)によって、出入り口の大きさが変わってきます。
前面道路が国道である場合以外は、道路幅員証明書というものを取得する必要があります。
営業所では認められていなかった、市街化調整区域でも、車庫使用の場合は可能となります。
このような場合も、市街化調整区域の車庫に営業所を併設することは認められません。
(3) 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。
全ての車両を駐車して、隣に駐車する車と、境界からそれぞれ50cm以上が確保されてないといけません。
全車両が停められるというだけでは要件を満たしません。
そして、全車両を1か所に収容する必要もありません。
車庫は2か所以上となっても大丈夫です。
当然と言えば当然のことなのですが、車庫は霊柩車を停める場所である必要があります。
- 駐車スペースと通路がカブったりしない
- 霊柩車を停めていない時に、他のものを置かない
というようなことも定められています。
(4) 使用する権利を有していること。
営業所の要件と重複しますので省略させて頂きます。
2 車両の要件
車両数
事業用自動車の数
一般貨物(トラック)の許可要件では5台用意する必要があります。
ですが、霊柩運送限定の場合は1台で構いません。
事業用自動車
(1) 事業用自動車の大きさ、構造等が輸送する貨物に適切なものであること。
ここではトラックと違い、大きさや構造が貨物に適切とは、車検証に記載される形状が”霊柩車”であることを求めています。
尚、申請書には霊柩車の具体的な形状(宮型・洋型・バン型・バス型)などを記載する地域もあります。
(2) 使用する権利を有していること。
車両の使用権原については、
(ア)自社保有車両により確保する場合は、自動車検査証(写)
(イ)購入による場合は、車両売買仮契約書(写)等
(ウ)リース契約による場合は、契約期間が概ね1年以上であるリース契約書(写)の提出をもって使用権原を有するものとする。
使用形態によって、上記のような方法で証明する必要があります。
あなたが車検証上の”所有者”・”使用者”である必要はないのですが、記載されていない場合は、上記のような書類をもって、使用権原を証明しなければならなくなります。
3 資金の要件
(1) 営業を開始する際の資金が十分であること。
”いくら以上必要”と具体的な金額が定められていれば良いのですが、開業する規模によって、必要とされる金額が違います。
一般貨物自動車運送事業(霊柩限定)の許可を取得する際の申請書の一つに”事業の開始に要する資金及び調達方法”という様式があります。
その様式に、後述する(2)の具体的な金額を記載する必要があります。
(2) 霊柩車・営業所・車庫の各価格(リース・賃貸の場合は6か月分)+各種保険料の1年分+従業員の給料や備品等の2か月分が確保されていること。(1)の内訳。
これらの種類をおおまかに分けると、
1年分:保険料・各種租税公課
6か月分:車両費・建物費・土地費
2か月分:人件費・燃料油脂費・修繕費等
一括:登録免許税・その他
これら上記を合算した金額が、必要とされる資金となります。
ここでは、ザックリとではありますが、説明していきます。
1年分
保険料
この場合の保険料は、車両にかかるものを指します。
自賠責保険・任意保険(対人無制限)の1年分×車両数となります
各種租税公課
一般的には、自動車税+自動車重量税(+自動車取得税)の1年分×車両数となります。
6か月分
車両費
あなたが、霊柩車を一括で購入する場合は、その全額が必要となります。
また、それ以外のローンやリースを検討されている場合、毎月の支払金額×車両数×6か月分となります。
建物費・土地費
ここでは、営業所・車庫・休憩施設にかかる費用を指します。
こちらも車両同様、一括購入する場合は、その全額が必要となります。
思い切って購入する場合でも、ローンを組む場合や、購入せずに賃貸する場合は、毎月の支払分×6か月分となります。
2か月分
人件費
あなたが会社を設立する場合や設立している場合は「役員報酬」を、それ以外にも「給与」「手当」「賞与」「法定福利費」と分かれ、全て合算した金額の2か月分となります。
法定福利費は更に、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「労災保険料」と4つに分かれ全て合算します。
更に、厚生福利費 (給与+手当+賞与)×2%というのも計上する必要があります。
燃料油脂費
まだ営業せず、実際に走行していないので、おおよその予測で計上する必要があります。
車両1台辺りの月間予想走行距離×車両1台辺りの予想燃費×燃料単価×車両数×2か月分となります。
それに加えて、オイル交換やグリスアップも想定した油脂費というものも計上する必要があります。
これは燃料費×3%と計上します。
修繕費
修理工場等でかかる費用を「外注修繕費」。
ウィンカーランプ球の交換等、自社での簡単な修繕や、スペアパーツ等の部品費を「自家修繕費」。
1年で使用するタイヤを月額に均等し、それの2か月分を計上する「タイヤ・チューブ費」。
と3つに分かれ全て合算した金額の2か月分となります。
その他
これも燃料代と重複しますが、実走していないので、おおよその予測で計上する、高速道路料金。
事務所で使用する水道代や電気代として、水道光熱費。
携帯電話や固定電話、パソコンの回線使用料等として、通信費。
このようなものも、2か月分計上する必要があります。
一括
登録免許税
全国どこでも一般貨物自動車運送事業の許可を取得する際にかかる費用です。
登録免許税は一律120,000円かかります。
その他
什器・備品費等、運送業を開始する際、最初に用意する物の価格です。
(3) (2)の資金が許可申請後の一定期間は確保されていること。
あなたは、申請時に(2)で説明した合計金額の残高証明が霊柩運送事業の許可申請時に必要となります。
注意してほしいのは、申請後に数か月経過してから再度提出する必要があるのを覚えておいてください。
4 人の要件
運行管理体制
(1) 車両台数人員+運行管理者とすること。
車両の要件でも確認したのですが、開業する際に1台の車両で開業することができます。
そして、運行管理者を選任しなければなりませんが、運行管理者はドライバーと兼任が認められていません。
つまり、最低でも2人は用意しないと霊柩運送事業は開始できないということになります。
ここでは、日々雇い入れする以外の臨時ドライバーでは認められないとも定められています。
人材派遣やアルバイトのような、仕事のある日だけの臨時ドライバーは認められていないのです。
そこで、勘違いされると困るので補足させていただくと、人材派遣が全てダメではありません。
人材派遣でも、長期雇用であれば認められていますので、活用されるのもよろしいかと思います。
(2) 運行管理者及び整備管理者を確保すること。
運行管理者
トラック運送であれば国家資格者である運行管理者を用意する必要があります。
ですが、あなたが4台以内で開業しようとしているのであれば、国家資格である運行管理者を確保する必要はありません。
ここでは5台以上で開業される方に詳しく説明します。
毎年2回開催される試験で合格すると、運行管理者となることができます。
この試験は受験資格もあります。
- 運行の管理に関し1年以上の実務経験を有する者。
- 実務の経験に代わる講習を修了した者。
どちらかの要件を満たさないと受験することができません。
また、国家試験で合格する以外にも取得方法があります。
運行の管理に関して5年以上の実務経験があり、且つ、講習を5回以上受けていることです。
自動車事故対策機構が行う基礎講習及び一般講習が認定されており、5回以上の講習のうち、少なくとも1回は基礎講習を受講している必要があります。
整備管理者
車内に一人の整備管理者を確保することが義務付けられています。
トラック運送では整備士資格の国家資格者や実務経験を得て講習を受講する必要があります。
ここでも霊柩運送は要件を緩和されており、4台以内での開業であれば選任するだけで良いのです。
ここでは5台以上を用意して開業しようとしている場合について詳しく説明します。
整備管理者は、どのような方が選任できるかというと、
- 3級以上の自動車整備士資格を取得している者
- 2年以上車輌の整備・点検等の経験があり、且つ”整備管理者選任前研修”を修了している者
とあります。
あなたが、「自動車整備士資格所有者を探すのは難しい」と思われるのであれば、実務経験者が整備管理者選任前研修を受ける方向で考えていきましょう。
するとあなたは、「そんな実務経験なんてないよ」と思われるかもしれません。
実務経験者はどのような方を指すのかというと
- 整備工場やガソリンスタンドでの整備経験
- 運送業の整備実施担当者
このような場合に、実務経験者と認められます。
また、整備管理者選任前研修は、全国各地で年間数回開催されています。
(3) 勤務時間、休息時間、休日が適切なものであること。
勤務時間(拘束時間・運転時間)、休息時間、休日等を適切に定めよと述べています。
(4) 運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
運行管理体制では誰からドライバーへの指示を出すのか、事故の際には誰から警察へ連絡をするのかといった命令系統を図にしておく必要があります。
(5) 車庫と営業所が常時密接な連絡をとれる体制を整備するとともに、点呼等が確実に実施される体制が確立していること。
絶対に遵守して欲しいのですが、原則として、乗務前・乗務後に面前による点呼をする必要があります。
更に現在では、アルコールチェックも義務付けられていますので、合わせて実施していく必要があります。
(6) 社内安全講習会等を開き、重大事故が発生時は運輸支局にキチンと報告すること。
期間は定められておりませんが、定期的に社内安全講習会等を開いてドライバーに安全指導をするよう定めています。
あってほしくはないのですが、重大事故が起きた場合は、30日以内に運輸支局等に報告する義務があるので、その体制を整えておくことを定めています。
その他
あなたが、霊柩運送事業の許可を申請する場合、欠格要件というものが定められています。
- 一年以上の懲役、又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
- 一般貨物自動車運送事業、又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
上記のような要件に該当すると、霊柩運送事業の許可を取得することができません。
トラック運送と霊柩運送の相違点
同じ運送事業という括りに入るわけですが、上述したようにトラック運送に比べて霊柩運送は若干優遇されている点があります。
・運行管理者
・整備管理者
上記2点は霊柩運送では選任するだけでよく、国家資格者を要しないとされています。
ですが、国家資格者を必要としない代わりと言ってはおかしいですが、その分規制される部分が出てきます。
それが営業地域です。
あなたが静岡県内で1台で開業を検討する場合には運行管理者と整備管理者は選任するだけで良いのです。
ですが、その場合は運行の発着が同一県内に限定されるのです。
他県で積む、又は降ろすといった営業ができません。
あなたが広範囲で営業を活動したいとするならば
・5台以上の車両
・国家資格者(運行管理、整備管理)
を用意する必要が出てきます。
許可取得に要する流れと期間
霊柩運送事業の許可を取得に要する期間はどれくらいかかるのでしょう?
ここでは、行政書士に依頼し、新規で法人設立をしてから、許可がおりるまでの期間は半年ほどかかると思っておいたほうがよいでしょう。
そこであなたは、「そんなにかかるの?」とお思いかもしれませんが、およその流れとして
このような流れになります。
一つずつ確認していきましょう。
1 法人設立
諸々の条件(法人名、決算月等)を決定し、書類作成をしてから法務局へ提出します。
繁忙期等で多少前後しますが、およそ2週間みたほうがよろしいかと思います。
2 許可申請書の提出
10数種類もの書類を作成し、支局運輸担当に許可申請書を提出します。
3 許可申請書の審査
提出した申請書に不備や不足点があれば、支局担当とやりとりをして修正します。
もちろん不備や不足点がなければ修正の必要はありません。
4 法令試験~申請書控え返却
ここでは申請者である、あなた自身が法令試験を受ける必要があります。
法令試験に合格しないと、当然ですが許可が得られません。
そして、2回続けて不合格だと申請が却下されてしまいます。
法令試験に合格し、申請書に大きな不備がなければ、最初の申請書の提出から3週間前後で申請書の控えが返却されます。
5 許可証交付~新規事業者説明会
およそですが、許可申請書の提出から、3~4か月で許可証が交付されます。
そして、許可証交付後に支局毎に開催される新規事業者向けの説明会を受講することになります。
6 登録免許税の納付
許可証の交付を受けた日から1か月以内に登録免許税(12万円)を銀行・郵便局・法務局のどれかで納付します。
登録免許税の納付はコンビニではできません。
7 事業計画に基づく事業施設の整備
実務段階に移行しますが、許可申請書に記載した内容をキチンと整備していきます。
- 営業所・車庫・休憩施設の設置
- 車両の購入
- 従業員の採用~雇用契約の締結
- 各種帳簿・規定・掲示物の準備
- 就業規則・36協定の労働基準監督署への提出
- 運転者適正診断の受診
労働基準法36条に基づく労使協定で、「さぶろくきょうてい」と呼ばれることが多い。
会社が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を命じる場合、必要となる。
労組などと書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出る。
届け出をしないで時間外労働をさせると、労働基準法違反(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)となる。
8 社会保険・労働保険等の加入手続き
どのような手続きかというと
- 労働保険(労災保険・雇用保険)→管轄する労働局
- 社会保険(健康保険・厚生年金)→管轄する日本年金機構事務所
各種保険を提出先に届け出ていきます。
9 運行管理者・整備管理者の選任届け
次に、運行管理者選任届と整備管理者選任届をそれぞれ提出します。
この届けを提出しておかないと、後に運輸開始届が提出できません。
10 事業用自動車連絡書の交付
そして、運行管理者・整備管理者選任届けを提出すると、営業ナンバーの登録に必要な事業用自動車連絡書が交付されます。
ここで登録に必要な書類と共にトラックを登録します。
11 車両登録・任意保険加入
あなたが、準備しておいたトラックを登録して、任意保険に正式に加入します。
12 運輸開始届・運賃料金設定届
それ以外にも、運輸開始届・運賃料金設定届を提出する意外の他にも必要な書類を提出します。
- 就業規則
- 36協定書
- 労働保険関係成立届
- 社会保険新規適用届
- 商業登記簿謄本
- 車検証
- 任意保険加入証書
13 営業開始
これらの手続きを踏まえ、やっと営業をスタートできます。
14 適正化特別巡回指導
地域によって多少の開きはありますが、運輸開始届を提出後の6か月以内に適正化指導員による巡回指導があります。
個人事業で開業を検討している場合
あなたが「法人までは考えていない」「最初は個人で1台からスタートがいい」と考えた場合。
当然、登記簿等の法人でなければ提出できない書類に違いが生じてきます。
また、各種保険(社会保険、雇用保険等)も4人以内であれば強制ではないので加入も自由です。
事業自体が大規模経営に向いてないと言うと語弊が生じるかもしれませんが、個人経営でも十分なのではないか?と私個人的に思う事業です。
まとめ
あなたは、許可要件を確認したことと思いますが、その要件は事細かにルールがあり、ウンザリしたかもしれません。
そして、手続きの流れや期間に関しても、同様に思ったことと思います。
尚、許可要件に関しては、地域によって多少内容が異なります。
時代が家族葬などの小規模な葬儀を望む傾向にあります。
それに合わせた斎場も昨今増えてきています。
あなたのお住まいの地域を一度リサーチされてはいかがでしょう?
思いのほか、霊柩車の需要を感じることができるかもしれません。
時間的な余裕があったりチャレンジ精神が旺盛であるならば、あなた自身で手続きをしてみても良いかと思います。
「面倒くさそう」「時間がない」と思われるなら専門家に依頼するという手もあるかと思います。
どちらにしても、あなたが無事に開業できることを祈っております。