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運送業の実務|できる!水屋養成講座 初級編

 

あなたの会社の車両数は何台ですか?

20台~30台もあって、配車担当が一人であるなら大変だとは思います。

ただ、10台に満たない台数で自車にだけ荷物を付けて、一日の配車は終了ってことはないですよね?

 

そもそも配車の給料はどこから出るのでしょう?

自車車両に荷物を付けて、そこから少しずつという計算も成立するかもしれませんが、それだけで良いのでしょうか?

できることなら、配車担当も目に見える収益を上げておいた方が、会社的にも配車担当自身にも良いのではないでしょうか?

 

ここでは運送業の中で”水屋”とも呼ばれる貨物利用運送事業の始め方を分かりやすく丁寧に説明していきます。

まずは一読してください。

あなたが水屋を始める際に必要な知識であることをお約束します。

 

こちらも合わせて読むことをオススメします。

運送業の実務|できる?水屋養成講座 中級編

 

それでは確認していきましょう。

 

Contents

水屋とは?水屋の意味は?

そもそも、運送業なのになぜ水屋なのでしょう?

貨物利用運送事業、略して水屋?いや、おかしいですよね?

私が所属していた大阪で”水屋の学校”と言われていた会社の部長に教わった言葉です。

水屋の由来(語源)

水道の蛇口をひねると水が流れる。

見てるだけだとドンドン水(荷物)は流れるから、すくわなければ流れるばかり。

手(自分)ですくっても容器(トラック)がなければドンドンこぼれるばかり。

水物と言われるくらい足が速い水を、いかにタイミング良く、上手に容器に入れていけるか。

 

みたいな事を聞いた記憶があるんですが、違ってましたかね?

諸説あると思うのですが、コレを聞いた当時は「なるほど!」と感心したのを覚えています。

しかし、活字にするとイマイチ説得力に欠ける気もしますね。

 

つまり

そのように比喩されるくらい、荷物や車の情報はアッと言う間に終わってしまうのは事実です。

その流れの中で、あなたはいかにタイミング良く情報をゲットしていくか、スピードが要求されます。

悩んでいる暇を与えてはもらえません。

即座の判断力が要求されます。

 

社会的立場

大げさに聞こえるかもしれませんが、あなたが水屋をすることによって感謝してくれる人がいます。

時には荷物がなくて困っている人に、荷物情報を提供すれば感謝されるでしょう。

逆にトラックがなくて困っている人に、空車車両の情報を提供すれば感謝されるでしょう。

それだけでなく、会社としても収益が上がり、あなた自身も情報収集力が増し、ひいてはあなたの身にもなるでしょう。

 

しかし、昔観た映画”トラック野郎”では悪の権化のような立ち位置ですね?

決してそんな事はないので、胸を張って頑張りましょう。

 

準備するもの

では、水屋を始める際に何が必要となってくるのでしょう?

電話機と電話回線

何を当たり前の事をと思ったかもしれませんが、最低でも2回線は用意しないと仕事になりません。

相手が水物だけに、「ちょっと待って、折り返すから」では掛け直した時に終わっている可能性が非常に高いのです。

片方で聞きつつ、片方でかけるというのは基本スタイルです。

最初、慣れないうちはとまどうかもしれませんが、次第に慣れていくので大丈夫です。

私も一時期は2回線では足りず、3回線使用していた時もありました。

しかし、もっと凄い人になってくると4回線持っていても足りず、自らの携帯電話で5回線同時に喋っていた大ベテランも存在します。

 

配車メモ

普通のメモ紙に聞いた情報をメモされる器用な方もいますが、私はミスを犯したくなかったので情報をキッチリ取っていました。

 

少し見づらいかもしれませんが、左に荷物情報、右に空車情報を取っていました。

特に混載荷物を扱うことが多かったので、詳細なメモを取る必要がありました。

 

相手から情報を言ってもらう際「メモするからちょっと待って」と言えば、絶対に相手は待ってくれます。

適当に聞き流されるより、ちゃんとメモを取ってもらう方が相手にとっても良いですからね。

 

また、1日1枚使うことによって、日々の流れや荷動きが可視化しやすくなるというメリットがあります。

今日は荷物が多い、今日は空車が多い等を感覚でななく、データにすることができます。

 

間違っても書き損じて情報を忘れることがないようにしましょう。

 

一生懸命さ

一番大事なことですが、やるからには一生懸命やらないといけません。

想像してみてください、あなたが荷物を探しているならどちらに電話をかけますか?

  • 1時間おきに電話をかけてくるマメな人
  • 朝一であいさつを交わすだけの人

一生懸命=マメとまでは言いませんが、かけるなら前者ですよね。

とにかく聞いた荷物・車に全力で取り組んでください。

自分が全部捌くんだ!くらいの意気込みは相手にも通じます。

すると「あの人は一生懸命頑張ってくれる」と認識され、情報は集まります。

情報が集まると電話をかける回数は増えて、夕方になるとフラフラになるでしょう。

 

ここで気をつけて欲しいのは、ある程度の節度は必要だということです。

一生懸命が空回りして5分置きに同じ相手に電話をしていたりすると、相手もうっとうしく思います。

せめて、同じ相手には1時間程度空けてから電話すべきでしょう。

 

実践

基本的な流れ

あなたが先ずすべきは情報収集です。

出社してから、あなたが電話をかけられる取引相手に全て電話します。

かけられる相手全てに電話をした状態が”1周”です。

1周まわって、その日のバランスが自分でも把握できますよね、荷物が多いのか空車が多いのか。

その聞いた荷物、空車に対して2週目に突入します。

「こんな荷物聞いたよ」「こんな空車聞いたけど荷物ない?」

これの繰り返しです。

 

なかには午後になっても荷物を余らせていたり、空車で荷物がついていない相手もいるでしょう。

それらが全て落ち着くまで、あなたはお手伝いをしてください。

 

次に繋げる意識を持つ

実際にマッチングする際は欲張らず、謙虚にいきましょう。

仮に空車で荷物探しに必死になっている相手がいたとします。

アッサリとあなたが、その車両に見合う荷物を見つけたとしても、必要以上に中抜きしないようにしましょう。

いわゆる”フッかける”のはご法度です。

 

最初のうちは1本でも多くマッチングさせることに意識した方が良いです。

利益を最初から追及しても、成約本数は多くならないでしょう。

本数をこなしていけば、勝手に利益は伸びていきますので、先ずは1本でも多くを心掛けるべきです。

 

なかには、「1,000円商売ならやらない方が良い」と言う方もいます。

本当にそうなのでしょうか?

利益は1,000円であったとしても、売り上げは計上できますよね。

極端な例かもしれませんが、

  • 年間利益が1,000万円で年商1億
  • 年間利益が1,000万円で年商5,000万円

あなたが銀行だったら、どちらに融資します?

普通に考えれば前者なのですが、デメリットも存在します。

世の中に絶対はないので、未回収というリスクも考慮しなければならないでしょう。

あくまで私がよく持ち出す持論なので、賛否両論あることと思います。

会社の方針もあるかと思いますので、判断が付かなければ上司に方向性を打ち出してもらってください。

 

まとめ

あなたが直ぐに実践できる内容を記しました。

誰でも意識さえ持てば始めることはできると思います。

 

時には利益が上がる日もあるでしょう。

時には赤字に終わる日もあるでしょう。

それは最初のうちはあまり重要ではなく、先ずは、あなたが横の繋がりを広げて欲しいのです。

 

継続することによって、会社も成長しますが、何よりあなたの成長に繋がることと思います。

どうか、あなたの名前が地域で轟く配車マンとなっていますように。

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