右肩上がりに成長を続けるレンタカー事業。
あなたは、そんな業界に参入しようとしています。
それなりの戦略を持って臨んでいることでしょう。
そんな中、運転手付きのレンタカー事業を営業されている方も存在します。
車をレンタルするだけでなく、運転手までレンタルできれば収益が上がることは容易に想像できます。
あなたはご存知かもしれませんが、レンタカー事業では運転手を斡旋することは認められていません。
では、どのように営業されているのでしょう?
ここでは、各種法律を絡めて運転手付きレンタカーの立ち位置を確認していこうと思います。
先ずは一読してください。
あなたにとって一つの知識となることをお約束します。
それでは確認していきましょう。
Contents
レンタカー事業の禁止事項
レンタカー事業は国土交通省の管轄となっております。
許可申請をする際の基準(運輸局長令)では”レンタカー会社による運転手の紹介・斡旋は禁止”と定めております。
これは明らかな紹介だけでなく、レンタカー事業者のホームページに人材派遣会社等のリンクを貼ることすら認めておりません。
ここであなたは「やっぱり運転手付きレンタカーは違法だよ。」と思われるでしょう。
業界大手のトヨタレンタカーのQ&Aにおいて
Q.運転手付きでレンタルできますか?
A.道路運送法第4条1項により、トヨタレンタカーでは運転手付きのレンタルはできません。
と記載しています。
絶望的な状況です。
運転手付きレンタカー事業者の根拠
実際に運転手付きレンタカー事業者の根拠を調べてみます。
先ず、運転手を紹介する行為が派遣法に抵触するかを説明しています。
そして、派遣業ではなく請負に属するものだから、法的問題はクリアしていると述べています。
ポイントとしては「仕事の完成が目的」になっている点でしょう。
派遣と請負
この場合の派遣と請負の違い?
同じような意味に感じるかもしれませんが、指揮命令に違いがあります。
派遣
派遣会社とドライバーは雇用契約にあります。
派遣会社とレンタカー利用者は派遣契約関係にあります。
肝心なのが、レンタカー利用者はドライバーに指揮することができます。
請負
請負会社とドライバーは雇用契約にあります。
請負会社とレンタカー利用者は請負契約関係にあります。
ここが違うのですが、レンタカー利用者はドライバーに指揮することができません。
つまり、運転手付きレンタカー事業者と利用者は請負の関係にあるとしているのですね。
請負としているのだから、労働者派遣法の適用は受けないと声高に主張しています。
しかし、厚生労働省は派遣と請負の区別は実態で判断すると述べています。
いくらレンタカー事業者が「派遣じゃなくて請負だから!」と言えども、事業実態を見て判断されます。
然るべき機関が重い腰を上げて本気を出してきても大丈夫なのでしょうか?
まさにグレーゾーンど真ん中といった内容ですね。
そんなグレーゾーンに光明が射す制度があるのをご存じですか?
グレーゾーン解消制度
経済産業省が凄いことをやってます。
企業実証特例制度・グレーゾーン解消制度
あなたが「請負で運転手付きレンタカーを始めたい!」とお思いであれば、利用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
あなたの判断はいかがだったでしょうか?
白か黒か、はたまたグレーに見えたかもしれません。
あなたに見えた色は世間から見える色と一緒です。
たしかに運転手付きレンタカーの需要は少なからずあるとは思います。
私からは決して反対もしませんが、すすめたりもしません。
規制緩和がすすむのか、規制強化がすすむのかは今現在では誰にも分かりません。