これからあなたが産廃業を始める際に、法人を設立するか個人事業として始めるかは避けて通れない悩みかと思います。
法人を設立した方がイメージも良いし、様々な信用を得られことでしょう。
何より代表取締役と名乗るのはどこにいっても気分が良いことかと思います。
じゃあ、法人を設立しよう!と思ったならば少し待ってください。
それとは逆に、法人設立は手続きが煩わしいし、軌道に乗るまではお金がかかりそうだしとあなたは思ったかもしれません。
仕事もあるし、個人事業で始められるならそれでいいやと思った場合も少し待ってください。
法人と個人のどちらでも開始できるならどちらが本当に良いのでしょう?
ここでは産廃業を運営していく上で、法人と個人それぞれのメリットとデメリットを比較していきます。
先ずは一読してください。
あなたの悩みを解消する材料となることをお約束します。
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それでは確認していきましょう。
Contents
設立手続き
個人
税務署へ行って開業届けを提出するだけです。
驚くほど簡単にできますので、専門家など不要です。
税務署に行ったついでに、青色申告にするか白色申告にするかの届出も出しておきましょう。
法人
定款
法人を設立するには必ず定款を作成する必要があります。
定款とは会社の事業内容や決まりごとなどを記載したルールブックのようなものです。
定款を作成したら公証役場へ認証に行きます。
登記
定款が認証されたら、次は設立登記を法務局でします。
申請には定款をはじめとした書類をいくつか用意する必要があります。
大きく分けると法人設立をするという作業は定款の認証と設立登記の2点となります。
あなた自身に時間的な余裕などがあればチャレンジしてみても良いでしょう。
しかし、ほとんどの方は専門家に依頼されるケースが多いです。
専門家に依頼するにしても行政書士、司法書士、税理士等がいます。
費用と報酬の合計を考えると20万円~と考えておいたほうが良いかと思います。
大変申し上げにくいのですが、産廃業許可申請と合わせて法人設立を考える場合は、行政書士に依頼するとワンストップサービスでできるかと思います。
信用
個人
あなたは「既存のお客さんから仕事がもらえる信用さえあればいいよ」とお思いかもしれません。
仕事をしていく上ではそれで構わないかもしれません。
ですが、事業を運営していくというのはやはりお金がかかるものです。
新しい車両を買いたいと思っても融資などに限度が出てくるかと思います。
法人
絶対的に信用は個人より高くなるのは明らかです。
信用という面で言えば、融資も受けやすくなります。
肝心の顧客獲得という面においても、有利にはなれども不利にはたらくことはないでしょう。
経費
個人
仕事をしていく上で支払った金額は全て経費とすることができます。
逆に経費として計上できないものをいくつかあげてみます。
- 事業主の給料
- 事業主の税金(所得税、住民税等)
- 事業主の国保・国民年金
基本的に事業と無関係の支出は経費になりません。
自宅兼事業所とする場合であっても全額経費として計上できないので注意が必要です。
法人
あなた(代表取締役)が受け取る給料は経費として計上できます。
また、生命保険の保険料は全額経費として処理できます。
そして、法人名義で事業主の自宅を借りることにより、社宅としてその家賃を法人の費用とすることができます。
比較するとキリがないのですが、個人事業主より法人化したほうが経費として処理できる内容が多くなります。
社会保険
個人
従業員が5人未満であれば加入は任意です。
裏を返せば、従業員が4人までなら加入しなくて良いということですね。
あくまで任意ですので、従業員のためと考えるなら加入することもできます。
法人
社員が1人でも加入する必要があります。
社会保険任意適用事業所といった社会保険に任意で加入することができる業種も存在します。
ですが、産廃業は社会保険強制適用事業所である為、加入する必要があります。
赤字
個人
赤字の繰り越しは3年までしかできません。
法人
赤字の繰り越しは最長9年までできます。
やはり税金面でのメリットは法人に分がありますね。
会計年度
個人
1月1日から12月31日までの会計を、翌年の2、3月に申告することとなります。
法人
一番多いのは大手企業などに見られる3月決算ですかね。
あなたの好きな月に自由に決めることができます。
まとめ
産廃業を開業するのに、必ず法人を設立する必要はありません。
個人事業主と法人設立のどちらが良いかは、あなたの営業スタイル次第とも言えます。
個人で開業して軌道に乗ってから法人になるという方法があります。
この場合、残念ながら事業の許可を引き継ぐことはできませんので、新たに産廃業の許可申請をする必要があります。
最初から法人設立をしておけばその費用も必要ないかもしれません。
ですが、法人を設立して運営していくということは、再取得費用以上のコストがかかるのも事実です。
あまりオススメしないのは見栄だけで法人設立をすることだと思います。
個人事業で申し分ない状態なのに、代表取締役という肩書き欲しさに法人設立しているような場合です。
あなたの見栄だけのために税制面などで不利を受けるのが一番ばからしいのではないでしょうか。
ですが、
・近い将来(2~3年以内)に法人成りを検討している。
・従業員、事業が最初から大規模。
・確実な売り上げが見込める。
等の場合は最初から法人設立をしている方が逆に良い場合もあります。
リスクヘッジという面で考えれば、あなたの成長に合わせて事業を成長させていくのが最善の手段かと思います。
最終的に決めるのはあなたなのですが、それぞれのメリットとデメリットをキチンと判断してからでも遅くはないのです。