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産廃業の知識 | 多量排出事業者ってどのくらい多量?

 

あなたは産業廃棄物における多量排出事業者という言葉を耳にしたことはありますか?

読んで字の如く、廃棄物を多量に発生させる事業者のことを指すのです。

ですが、どの程度を多量と指すのでしょう?

 

また、多量排出事業者は都道府県知事に処理計画や報告書を提出することとなっています。

そして報告書はインターネットを介し、公表もされます。

 

ここでは多量排出事業者について分かりやすく丁寧に説明していきます。

あなたが多量排出事業者であれば、何をどうするかが分かることと思います。

是非一読してください。

 

それでは確認していきましょう。

 

Contents

多量排出事業者とは?

そもそも多量排出事業者とは、どのような事業者を指すのでしょう?

これは

・事業活動に伴って多量の産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者

産業廃棄物の前年度の発生量が合計1,000トン以上、または、特別管理産業廃棄物の前年度の発生量が50トン以上の事業場を設置している事業者(中間処理業者は除く)

この2点を以って多量排出事業者とされます。

ですが、その数値を下回っていても地域によっては行政指導等によりすすめている場合もありますのでご注意を。

 

建設現場を例にします。

1つの現場における発生量が100トンだったとします。

これだけをもって「うちは多量排出してませんから」とはなりません。

このような現場を管理する支店単位の合計量でカウントします。

つまり複数の現場における合算した発生量が1,000トンを超える支店は多量排出事業者となるのですね。

 

発生量

産業廃棄物には汚泥などの水分を含んだ状態や乾燥した状態で重量が変わるものがあります。

そのような場合はどの時点での発生量を計算するのでしょう?

生産工程の中で行われる減量操作等の工程を経て発生する場合には、その発生時点での量とします。

また、生産工程を経た後に事業場にある施設等で廃棄物の処理としての操作が行われる場合は、この廃棄物処理工程の前での量とします

 

それ以外の水分を含有しないものは、廃棄物の処理として何の操作も加えない時点での量を指します。

 

処理計画

製造業の場合

事業場ごとに処理計画を作成することが基本となります。

多量排出事業者が処理計画等を作成する際、同一敷地内に関連会社の事業場があり、一体的に産業廃棄物の処理を行っている場合には、処理計画等の中に関連会社の事業場から生ずる産業廃棄物の処理を含めることもできます。

建設業の場合

区域内の作業所(現場)を総括的に管理している支店等ごとに区域内に係る処理計画等を作成することを基本とします。

そして、多量排出事業者が処理計画等を作成する際に、同一敷地内に関連会社の事業場があり、一体的に産業廃棄物の処理を行っている場合には、作成する処理計画等の中に関連会社の事業場から生ずる産業廃棄物の処理を含めることもできます。

建設工事等における排出事業者には、原則として元請業者が該当します。

共同企業体(JV)においては、その構成員の代表者が該当することになります。

作成・提出

多量排出事業者は、処理計画を定められた様式で作成し、当該年度の6月30日までに都道府県知事等に提出する必要があります。

その処理計画の内容は、インターネットにより速やかに公表されます。

特殊例

処理計画は、その年度に現に事業場を設置している事業者が作成することとする”となっています。

前年度に産業廃棄物の発生量が1,000トン以上であった事業場が撤去され存在しない場合はどうなるのでしょう?

この場合、その事業場に係る処理計画の作成義務は生じません

記載事項

事業の概要

  • 資本金
  • 従業員数
  • 製造品出荷額、元請完成工事高
  • 連絡先 等

策定事項

計画期間

計画期間について法令による定めはありません。

ですが、4月から翌年3月までの1年間とすることが殆どかと思います。

産業廃棄物の処理に係る管理体制に関する事項
  • 管理組織図
  • 処理責任者氏名
  • 教育・研修 等
産業廃棄物の排出の抑制に関する事項
産業廃棄物の分別に関する事項
産業廃棄物の再生利用に関する事項
産業廃棄物の処理に関する事項
  • 現状
  • 目標の設定
  • 具体的取組
  • 中・長期的課題 等

上記のような内容を定めることとされています。

 

実施状況

さらに多量排出事業者は、作成した処理計画の実施状況に関する報告書を、定められた様式で作成し、翌年度の6月30日までに都道府県知事等に報告する必要があります。

これも処理計画同様インターネットにより速やかに公表されます。

 

まとめ

製造業でも建設業でも、多くの製品や大きな建造物を作ると、それに伴い廃棄物も増えてしまいます。

そこで注意をしてもらいたいのが、多量排出事業者と認められない為に小細工をすることです。

決して多量排出事業者=悪というわけではないのです。

面倒かもしれませんが、キチンと処理計画を作成し、実施状況を報告しておけば後ろめたい気分になることもないかと思います。

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