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倉庫業の知識 | 倉庫の施設設備基準をわかりやすく解説

 

ひょっとすると、あなたはこれから倉庫業をと考えているかもしれません。

いくつかの要件をクリアしていかなければならないのは言うまでもないでしょう。

それらの要件の一つに施設設備基準があります。

 

倉庫の施設設備基準は普通の建物よりも厳しく設定されています。

お客様から荷物等を預けてもらうのに、一定の基準に達していなければ安心してもらえないからですね。

 

ここでは、倉庫の施設設備基準を分かりやすく丁寧に説明していきます。

あなたがこれから倉庫業をと考えている場合、借りるにしても建てるにしても、どのような基準が必要なのかが分かることと思います。

また、各施設設備基準に適合させる必要のある倉庫の種類もあわせて説明していますので、必要な部分だけ検討されるのも良いかとも思います。

先ずは一読してください。

 

こちらも合わせて読むことをおすすめします。

倉庫業の知識 | 全8種類の倉庫と対応保管物品を分かりやすく解説

 

それでは確認していきましょう。

 

Contents

施設設備基準

設備基準の説明と、必要な倉庫の種類を説明していきます。

尚、「施設の使用権原があること」と「建築基準法をはじめとした各種法令に適合していること」は全ての倉庫にあてはまります。

土地定着性1

土地に定着し、かつ、屋根及び周囲に壁を有する工作物であること。」と定められています。

テント倉庫のような、頑張れば移動できてしまうような形状ではダメなのですね。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、冷蔵倉庫

強度

軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度が、国土交通大臣の定める基準に適合していること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、鉄筋コンクリート造りで窓はなく、軸組、外壁又は荷ずりの強度が2,500N/㎡、床の強度が3,900N/㎡以上の耐力が求められています。

N/㎡とは?:『ニュートン』と読み、圧力を表す単位です。床の強度で3,900N/㎡以上の耐力ということは、床1㎡辺りに約400kg弱の圧力をかけても大丈夫な設計をここでは求められているわけです。

 

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、冷蔵倉庫

防水性能

構造及び設備が、倉庫内への水の浸透を防止するに足るものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、鉄筋コンクリートで防水塗装の屋根・外壁であり、雨どいを付けてある等を指します。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、冷蔵倉庫

防湿性能

土地からの水分の浸透及び床面の結露を防ぐため、床に国土交通大臣の定める防湿措置が講じられていること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、床面がコンクリート造りで金ごて仕上げとなっていることとなります。

金ごて仕上げとは?:簡単に説明するならば、コンクリートの床がツルツルした状態に仕上がっていることです。

 

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫

遮熱性能

国土交通大臣の定める遮熱措置が講じられていること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、屋根および外壁が耐火構造であることを求められています。

具体的な数値として4.65W/㎡・K以下を求められています。

W/㎡・Kとは?:ワット、ヘイベイ、ケルビンと読み、熱貫流率の単位です。
簡単に説明するならば、外気温度が遮熱されて倉庫内温度に影響をあまり受けないようにしてなければならないといったことです。

 

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫

耐火性能

倉庫の設けられている建物が、耐火性能又は防火性能を有するものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、耐火建築物であることを求められています。

遮熱性能の部分と重複するように感じますが、どちらも建築確認済証で確認が取れる内容かと思います。

適合倉庫:一類倉庫、貯蔵槽倉庫

災害防止措置

危険物等を取り扱う施設その他の国土交通大臣の定める施設に近接する倉庫にあつては、国土交通大臣の定める災害防止上有効な構造又は設備を有すること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、営業を開始しようとする倉庫の近隣建物(倉庫外壁から10m以内)の有無によって関係してきます。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、貯蔵槽倉庫、冷蔵倉庫

防火区画

倉庫の設けられている建物内に事務所、住宅、商店等の火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が設けられている場合にあつては、当該施設が、国土交通大臣の定めるところにより区画されていること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、倉庫内に事務所等がある場合、耐火構造の床・壁で区画されているかと問われています。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、冷蔵倉庫

消火設備

消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第六条に定めるところにより消火器等の消火器具が設けられていること。この場合において、倉庫の延べ面積が百五十平方メートル未満であるときは、これを延べ面積が百五十平方メートルの倉庫とみなして、同規則第六条の規定を適用する。」と定められています。

法律の条文って何でこんなに言い回しがややこしいのでしょうかね?

これを簡単に読み替えると、各階の床面積200㎡辺りに1つの消火器を設置してくださいと説明してくれると非常に分かりやすいですよね。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫

防犯措置

国土交通大臣の定める防犯上有効な構造及び設備を有していること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、網入りガラスを使用していたり、出入り口周辺の照明を一定以上の明るさを伴っているか等を求めています。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫

防鼠措置(ボウソソチ)

国土交通大臣の定めるそ害の防止上有効な設備を有していること。」と定められています。

漢字だけの雰囲気で読むとネズミからの被害を防ぐ措置って感じかと思いますが、その通りです。

具体的な措置方法として、下水に繋がる部分は金網を設置して、出入り口の扉が完全密閉できるよう求めています。

適合倉庫:一類倉庫、二類倉庫

防護措置

工作物又は土地であつて、その周囲が塀、柵等の国土交通大臣の定める防護施設をもつて防護されていること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、倉庫の周囲が高さ1.5m以上の鉄柵で覆われていることを求められています。

適合倉庫:野積倉庫、危険品倉庫

照明装置

国土交通大臣の定めるところにより照明装置が設けられていること。」と定められています。

これは具体的に説明すると、防護施設周辺に一定以上の明るさを持つ照明装置を設置することを義務付けています。

適合倉庫:野積倉庫、水面倉庫、危険品倉庫

屋上床強度

建物の屋上を野積倉庫として用いる場合にあつては、当該屋上の床の強度が国土交通大臣の定める基準に適合しているとともに、保管する物品が屋上から落下することを防ぐ措置が講じられていること。」と定められています。

ここでも重複して床の強度(3,900N/㎡以上の耐力)を求めており、かつ、周囲に落下防止の為の防護ネットを講じることを求めています。

適合倉庫:野積倉庫、危険品倉庫

水面防護措置

水面であつてその周囲が築堤その他の国土交通大臣の定める工作物をもつて防護されていること。」と定められています。

築堤と聞くと馴染みが薄いかも知れませんが、シンプルに堤防を築くと考えたほうが分かりやすいかもしれません。

盛り土と読み替えても良いかと思います。

適合倉庫:水面倉庫

流出防止措置

高潮等による保管する物品の流失を防止するため、周囲の防護施設に保管する物品を係留する等の措置が講じられていること。」と定められています。

これはそのままの意味で、水面に原木を保管する等の場合は、杭に係留するなどの措置を講じなさいと述べているのですね。

適合倉庫:水面倉庫

土地定着性2

土地に定着し、かつ、周壁により密閉された貯蔵槽であること。」と定められています。

土地定着性1と微妙に違うのは、内部に人が入り込むことができてはならないと述べています。

適合倉庫:貯蔵槽倉庫

周壁底面強度

周壁の側面及び底面の強度が国土交通大臣の定める基準に適合していること。」と定められています。

これも強度の部分と重複しそうなのですが、壁面強度が2,500N/㎡以上、底面強度が3,900N/㎡以上を求めています。

適合倉庫:貯蔵槽倉庫

通報設備

倉庫内の要所に、倉庫内と外部との連絡のための通報機その他の設備を有すること。」と定められています。

ここではセキュリティーの意味合いではなく、純粋に連絡を取れる装置の設置を求めています。

間違って冷凍倉庫に閉じ込められたなんて想像するだけでも恐ろしい話ですよね。

具体的には事務室、冷凍室各区内外にインターホン等を設置することを求めています。

適合倉庫:冷蔵倉庫

冷蔵設備

冷蔵室の保管温度が常時摂氏十度以下に保たれるものとして国土交通大臣の定める基準を満たしていること。」と定められています。

これは真夏の暑いなかでも10℃以下に維持する能力を備えることを求めています。

適合倉庫:冷蔵倉庫

温度計等

見やすい場所に冷蔵室の温度を表示する温度計が設けられていること。」と定められています。

実はここの部分なのですが、単純に温度計の設置だけではなく、集中管理システムにより、庫内温度が電光掲示板により確認できなくてはならなかったりします。

適合倉庫:冷蔵倉庫

 

倉庫種類別設置基準

設置基準の説明を各倉庫毎に拾っていくのは面倒だと思うので、倉庫の種類別に必要な施設設置基準を掲載しておきます。

一類倉庫

  1. 土地定着性1
  2. 強度
  3. 防水性能
  4. 防湿性能
  5. 遮熱性能
  6. 耐火性能
  7. 災害防止措置
  8. 防火区画
  9. 消火設備
  10. 防犯措置
  11. 防鼠措置

二類倉庫

  1. 土地定着性1
  2. 強度
  3. 防水性能
  4. 防湿性能
  5. 遮熱性能
  6. 災害防止措置
  7. 防火区画
  8. 消火設備
  9. 防犯措置
  10. 防鼠措置

三類倉庫

  1. 土地定着性1
  2. 強度
  3. 災害防止措置
  4. 防火区画
  5. 消火設備
  6. 防犯措置

野積倉庫

  1. 消火設備
  2. 防護措置
  3. 照明装置
  4. 屋上床強度

水面倉庫

  1. 照明装置
  2. 水面防護措置
  3. 流出防止措置

貯蔵槽倉庫

  1. 防水性能
  2. 耐火性能
  3. 災害防止措置
  4. 消火設備
  5. 防犯措置
  6. 土地定着性2
  7. 周壁底面強度

危険品倉庫

  1. 消火設備
  2. 防犯措置
  3. 防護措置
  4. 照明装置
  5. 屋上床強度

冷蔵倉庫

  1. 土地定着性1
  2. 強度
  3. 防水性能
  4. 災害防止措置
  5. 防火区画
  6. 消火設備
  7. 通報設備
  8. 冷蔵設備
  9. 温度計等

まとめ

最後までお読み頂きありがとうございます。

施設設備基準の要件が多いほど、保管できる品目が増えることがお分かりいただけたと思います。

 

営業倉庫の申請はあなたが思っている以上に大変な作業かと思います。

要件を満たしているかの確認に始まり、適合していることの証明までしなければならないのは言うまでもありません。

 

ですが申請が困難であるほどに価値のある許可とも思えるのです。

あなたが無事に営業倉庫が開始できるよう願うばかりです。

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